こんにちは!今回は、2024年10月1日~10月2日に開催された「BubbleCon 2024」で発表されたニュースやBubbleの新機能をご紹介します。
BubbleConはBubbleが毎年開催するカンファレンスで、例年Opening KeynoteではBubbleのその年の活躍状況やリリース予定の新機能が発表されます。
本記事では、BubbleCon 2024のOpening Keynoteで発表されたトピックの概要と、β版提供済みの新しいWorkflowタブの特徴や詳しい使い方もご紹介していきます。ぜひ最後までご覧ください!
1. BubbleCon 2024
BubbleConは、Bubbleが年に一度開催するカンファレンスです。例年オンラインでも配信され、Opening Keynoteでは今年のBubbleの活躍状況や近く提供されるBubbleの新機能などが発表されます。2024年の発表によると、これまでBubbleは217ヵ国で300万人の開発者によって469万個のアプリが開発されたそうです。
配信の録画は登録すれば視聴できるようになっているので、ご興味のある方はぜひ下記からご覧ください。
BubbleCon 2024 - Oct 01 | RingCentral Events
2. 発表内容
2.1. トピック
今回Opening Keynote(創設者基調講演)の主なトピックは下記の通りです。本記事では下記の4つを紹介していきます。
- ネイティモバイルビルダー(β版順次提供中)
- 新Workflowタブ(β版提供済み)
- Fluskの買収と統合(買収済み、統合機能は提供予定)
- 完全なAIビルダー(提供予定)
2.2. ネイティブモバイルビルダー(β版順次提供中)
ついにネイティブアプリを開発する機能の提供が発表されました!「ネイティブモバイルビルダー(Native mobile builder)」です。
当ブログでもご紹介したことがあるように、Bubbleで開発したアプリをネイティブアプリ化するには割高のプラグイン等を使う必要がありました。
しかし今回発表された内容によると、ネイティブモバイルビルダーでは、Webアプリの開発→ネイティブアプリ化→アプリストアでの公開の全てがBubble上で実現するようです。
ネイティブモバイルビルダーの紹介でピックアップされた特徴をまとめます。
- ウェブアプリとネイティブアプリの両方でデータとロジックの共有が可能
- Bubble上でのテストが可能
- React Nativeを利用してアプリのネイティブ化とアプリストアでの公開までをサポート
- iOSとAndroidの両方に対応予定
Webアプリとネイティブアプリや、iOSネイティブアプリとAndroidネイティブアプリを開発する場合、それぞれ開発費用がかかるためコストの観点から開発を断念した方もいたでしょう。また、プッシュ通知機能やカメラ機能との連携が重要なアプリをBubbleで開発することを諦めた方もいたはず。これでBubbleで開発できるサービスの幅がさらに広がりましたね!
ネイティブモバイルビルダーのβ版テスターには下記のWaiting listから登録できます。一足先に試してみたい方はぜひご登録してご案内をお待ちください!
2.3. 新Workflowタブ(β版提供済み)
2.3.1. 概要
Workflowタブが新しくなりました!これまでは横方向でリストとステップが表示されていましたが、新しいタブでは縦方向に一つのWorkflowが表示され、リストは画面左のナビゲーションにのみ表示されるようになります。初心者はより直感的に、経験豊富なBubblerはより高速に使えるようにするためのアップデートだそうです。
ちなみに、今回のアップデートはUIデザインのみでWorkflowの実行やActionの設定に関する部分に変更はありません。Actionの分類や名前も変更はないので安心してお使いください。
2.3.2. 特徴まとめ
まずは、新しいWorkflowタブの特徴をまとめます。
フォルダ管理機能の強化…Workflowの表示がフォルダベースになりました。Worfklowはドラッグ&ドロップで別のフォルダに移動することができます。ただしフォルダの順番は入れ替えることができないのでご注意ください。また、各Workflowは一つのフォルダにしか属せないので、色々なパターンのフォルダ構成を試してみてくださいね。
Backend Workflowの分類変更…Backend WorkflowがActionの分類一覧の「Backend Workflows」に振り分けられました。以前は「Custom Events」に分類されていましたが、独立した項目になりました。Backend Workflowの作成・管理はこれまで同様「Backend Workflow」タブで行います。その他のAction分類一覧の変更はありません。
- 水平方向表示(予定)…新エディタでもWorkflowは一列で表示されますが、一列で表現すると違和感のある条件分岐・ループ・並列処理等を水平方向で表示できるような改善も予定していると発表されています。
2.3.3. 詳細
新しいWorkflowタブは既に提供が開始されています。使い方や特徴を詳しく紹介していきます。
2.3.3.1. 利用開始
アプリを作成し、エディタでWorkflowタブを開きます。上部に「Workflow have a whole new look」と表示されているので、「Try Beta」をクリックします。
新しいエディタに切り替わると、チュートリアル動画が6つ表示されるので全て確認し、「Done」をクリックするとエディタの全貌が表示されます。
ちなみに、Settingsタブ>Versions>Beta Featuresの「Redesigned Workflow Editor」のチェックを外すことで元のエディタに戻すことができるのでお気軽に試してみてくださいね!
2.3.3.2. Action設定
それでは、新しいエディタでWrokflowを作成して、手順を追いながら変更されたUIを確認していきます。今回はButtonをクリックして入力された内容をDataに保存するWorkflowを作成します。
まず新規Workflow作成のステップです。作成手順は変わらず、ナビゲーション上部の「New Workflow」から作成することも、Designタブで配置したElementの「Appearance」>「Add Workflow」から作成することもできます。
「Add Workflow」をクリックするとWorkflowタブに移動し、Workflowが作成されます。Element Eventにボタンクリックが設定されています。
次に、Actionの設定のステップです。今回は入力された内容を保存するActionを追加するとします。Element Event下の「+」をクリックするとAction分類>Actionが表示されるので、Data(thing)>Create a new thing...を選択します。
次に、アクションのプロパティエディタでデータの保存先と保存内容を設定します。
これでWorkflowは完成です。Actionの選択やプロパティエディタでの設定については変更はありませんでした。
2.3.3.3. フォルダ分け
次に、画面左側のナビゲーションメニューを見てみます。ここにWorkflowがフォルダごとに表示されます。新エディタでは全てのWorfklowがいずれかのフォルダに属します。作成時点でフォルダを設定しなければ「Uncategorized」に属します。
新規フォルダは、ナビゲーション上部のフォルダ追加アイコンをクリックして作成できます。
ナビゲーションメニューで表示されているWorkflowにホバーするとElement EventとElementが表示されます。また、WorkflowをクリックしてWorkflowタイトルを変更したり、Workflowのメニューアイコンからフォルダを移動したりすることができます。
ドラッグ&ドロップでのフォルダ移動もぜひ試してみてください!
2.4. Fluskの買収と統合(買収済み、統合機能は提供予定)
2.4.1. 概要
BubbleがFluskが買収を買収したことも発表されました!
FluskはBubbleのセキュリティ監査と脆弱性評価に特化した企業で、Bubble のセキュリティ監査、ペネトレーションテスト、コンプライアンスアドバイス等のサービスを提供しています。Bubbleはデータアクセス制限が複雑だったり、クライエントサイドでの処理の安全性の確認が難しかったりといったデータセキュリティ上の懸念点がいくつかありますが、その監査をして安全性をチェックしてくれるのがFluskです。
また、セキュリティ監査だけでなく、ログとバックアップ期間の延長やエラーとバグの検出など、Bubbleが潜在的に抱えている運用面の課題も解決することができます。
今回の発表によると、FluskとBubbleのコアプラットフォームの統合を進めていくとのことで、Bubbleのセキュリティの安全性をより高めていくのが目標と考えられます。詳細は明らかにされていませんが、数か月以内にアップデートがあるようなので続報をお待ちください!
また、ノーコードラボは2024年4月からFluskとパートナーシップ契約を締結しており、パートナー価格でFluskを提供しています。当社を通してFluskを導入したい方はぜひお問い合わせから当社にご連絡ください。
2.4.2. Fluskに関する当ブログ記事
2.5. 完全なAIビルダー(提供予定)
完全なアプリを生成するAIビルダーの提供も発表されました。Bubbleの「AI for Day 2」です。
2024年6月、Bubbleではアプリ構築手順のガイドを生成できる「Build Guides」と、ページデザインを生成できる「AI Page Designer」という2つのAI機能が公開されました。これが「AI for Day 1」でした。
「AI for Day 2」に提供開始が予定されているAIビルダーでは、フロントエンド、バックエンド、ワークフロー、ロジックを備えたアプリを生成できるということです。プロンプトを入力すると10分以内にBubbleアプリの生成が完了するそう。しかも分かりやすい視覚的なインターフェースでデザインやロジックを編集できるようになるとも発表されています。Bubbleチームは、開発スピードと効率だけでなく「楽しさ」の向上にも貢献することを目指してAI機能開発に取り組んでいるそうです。
「AI for Day 2」は2024年11月頃の予定です。新しいAIビルダーでどんな開発体験ができるのか楽しみですね!下記のWaiting listもご活用ください。
3. まとめ
今回は、BubbleCon 2024の発表内容を紹介しました。例年と違わず今年もワクワクする発表が盛りだくさんでしたね。
まず、注目すべきはネイティブモバイルビルダーの発表です。Bubbleを使ったアプリ開発がさらに広がり、ビジネスでの利用も一層加速することでしょう。特に、モバイルアプリの開発を簡単に行える機能を待ち望んでいた方にとっては大きな朗報です。Waiting listに登録したユーザーから順次提供されていくので、ぜひ登録してお待ちください。
また、新しいWorkflowタブにも大きな注目が集まっています。Bubble Forumでは、使いやすさやデザインの面でさまざまな意見が飛び交っていますが、まだβ版ということもあり今後の改善が期待されています。ユーザーのフィードバックを基により使いやすくなることが期待されるので、これからのアップデートが楽しみですね。
さらに、Fluskとの統合により、より安全で堅牢なアプリの開発も可能になります。Bubbleを活用したビジネスアプリの開発が一段と活発になりそうです。
新しいAIビルダーもBubbleでの開発体験を変えるものになりそうです。
今後もBubbleの進化に注目して皆さまのビジネスに役立つ最新情報をお届けしていきます。ぜひご期待ください!