みなさん、こんにちは!
さて、早速ですが、ノーコード開発したサービスをリリースする際、みなさんは、安全に、そして確実にリリースするために、どのような準備をされていますか?
どんなに準備していても、リリース前後は多少の緊張感を感じるという方、少なくないのではないでしょうか。「これで本当に大丈夫かな?」「何か大事な作業を忘れているような…」なんて思考が頭の中でグルグル。
今回は、そんなリリース前の準備には欠かせない、ノーコードラボオリジナルの「リリース前チェックリスト」についてご紹介したいと思います。また、今回は特に Bubble に特化したチェックリストをご紹介します。一般的なウェブサービスにおいて共通で使えるというわけではありませんが、Bubble で作成したサービスのリリースを予定されている方は、是非ご参考くださいね。なお、本記事は基本的な動作、UIデザインのレビューは完了している状態を前提とさせていただきます。
1. リリース前チェックリスト
チェックリストは、Design、Workflow と Backend workflow、Data、Plugins と API Connector、Settings とそれぞれ項目に分けてご紹介していきたいと思います。
1.1. Design
まずは、Design 側の Page や Reusable element についてリストしていきます。基本的な項目がほとんどですが、うっかりミス防止にご参考いただければと思います。
- 各ページの Page title が、デフォルトの Your Bubble app や My Page、もしくはコピー元のままになっていないか?
- デバッグ用に表示していた Element がそのまま残っていないか?
- 作成途中やボツになった不要な Page や Reusable element が残っていないか?
- ページ共通で使用するような Element や Reusable element の配置忘れはないか?
- バックアップなど明示的に残しておく Page がある場合、表示されても問題ない状態になっているか?(リダイレクト設計 や Element 非表示対応済み etc)
- デフォルトで作成されている 404、reset_pw ページの対応は完了しているか?
- Link や HTML element などに versiont-test の文言が残っていないか?
- バックアップや旧ページへのリンクが残っていたり、リンク切れはないか?
1.2. Workflow、Backend workflow
次は Workflow 関連です。Backend workflow についても、こちらでリストしておきたいと思います。
- 未使用やボツで Disable 状態の不要な Workflow や Backend workflow が残っていないか?
- バックアップの Workflow や Backend workflow においては、処理が行われないように、Disable 化されているか?
- 内部使用の Backend workflow を Public(Expose as a public API workflow)にしていないか?
- 初回のみバッチ実行するような schedule がある場合、作業手順はまとまっているか?
- Logs に未実行の scheduler が残っている場合、その scheduler はリリース作業に影響がないか?
1.3. Data
次は、Data Type や Option sets、ファイルストレージなど、データ関連についてチェックする項目を列挙していきます。
- 使用していない不要な Data type や field、Option sets が残っていないか?保留対象などで明示的に残す場合、分かりやすい状態(ネーミングルールがある etc)になっているか?チーム開発の場合は情報共有できているか?
- マスタデータや初期データが必要な Data type の洗い出しと登録の準備ができているか?
- DEVELOPMENTからデータを移行する場合、不要なゴミデータは残っていないか?
- Data Type や Option sets において、DEVELOPMENT と LIVE で値を切り分けているような場合、項目の洗い出しと登録の準備はできているか?
- Privacy rule の設定漏れ、デバッグ用に権限を開放したままになっていないか?
- File manager にテストデータなどの不要なファイルは残っていないか?
- ストレージにアップロードされているファイルの権限(Attached to)は適切に設定されているか?
1.4. Plugins、API Connector
次は、プラグインや外部サービスを利用している場合のチェック項目です。
- 使用していない不要なプラグインが残っていないか?
- プラグインのバージョンは適切か?
- 外部APIサービスを使用する場合、App ID や App Secret は DEVELOPMENT と LIVE で適切に設定されているか?
- Stripe 決済のサブスクリプションがある場合、DEVELOPMENT と LIVE で商品番号が変更されているか?
- 外部APIサービスを使用する場合、クレジット表記などガイドライン違反をしていないか?
- 外部サービスを利用している場合、リリースしても問題ないプラン、枠を超えない状態になっているか?
- 外部サービスからリダイレクトで戻ってくる場合、DEVELOPMENT へリダイレクトされるような設定はしていないか?
1.5. Settings
最後に Settings タブ内にある、主な設定項目についてリストしていきます。
- Favicon や iOS の外観設定は適切か?
- パスワードポリシーについての設定は適切か?
- Console 内に表示されるウォーターマーク(This web application is entirely built without code on Bubble)の削除設定はできているか?(有料プランのみ)
- Domain、email の設定は適切か?(独自ドメインでメール送信を行っている場合は必須)
- COREメッセージが適切に設定されているか?
- サイトタイトルやサムネイル、サイトマップなど(SEO/metatags)の設定は適切か?
- Bubble のバージョンは最新の状態になっているか?
1.6. その他
上記以外の、リリース時の体制や作業計画などについてもリストしておきたいと思います。
- リリース手順書は準備できているか?
- 作業計画や日程調整は完了しており、関係者に共有されているか?
- 夜間や休日作業の場合、必要な手続き等は完了しているか?
- トラブル発生時の連絡先や責任者について、関係者に共有されているか?
- リリース後の動作確認の実施要否、テスト手順について、関係者との調整は完了しているか?
2. リリース時の参考手順
では次に参考として、ノーコードラボで Bubble アプリをリリースする際に行う手順を少しだけご紹介したいと思います。基本的には、作業前に必ず Save point を作成する!です。Save point は、万が一の場合に Reverse することができるので、とても重要です。
2.1. 初回リリースの場合
- Bubble エディタで、DEVELOPMENT を表示
- リリース前の DEVELOPMENT の Save point を作成しておく
- LIVE へデプロイする
- Data Type にマスタデータや初期データを登録する
- LIVE の Preview から動作確認
2.2. バージョンアップ対応の場合
- Bubble エディタで、LIVE を表示
- リリース前の LIVE版 Save point を作成しておく
- Bubble エディタで、DEVELOPMENT を表示
- リリース前の DEVELOPMENT の Save point を作成しておく
- LIVE へデプロイする
- Design、Workflow、Data Type それぞれに変更が適用されているか目視確認
- Data Type にデータ登録(必要であれば)
- LIVE の Preview から動作確認
3. リリース後の確認事項
では最後になりますが、リリース後の動作確認についても、少しだけ触れておきたいと思います。リリース後は以下のような項目をチェックするようにしています。
- マスタデータや初期データが想定通りに登録されているか?
- Data type や Option sets、外部API利用時の App ID や App Secret などの値は、LIVE 用で適切に設定されているか?また、外部サービスの参照先も本番環境に接続されているか?
- Privacy rule や File manager のファイル権限(Attached to)は適切に設定されているか?
- 定期実行のバッチがある場合、想定通りに scheduler が登録されているか?
- LIVE の動作確認で登録したテストデータが、Data type や File manager に残っていないか?
- LIVE での決済処理は正常に完了するか?
- 管理者や顧客宛のメール送信処理は正常に完了するか?
- 外部サービスとの連携、想定していたリクエスト数などは加入プランで問題なさそうか?
Bubble において DEVELOPMENT と LIVE では基本的な処理動作は同じですが、例えば、決済に関する Stripe のサブスクリプションでは DEVELOPMENT と LIVE で商品番号が変わるといった、注意が必要な外部サービスもあります。この他にも、もし実行環境により設定値が違うものがあれば、充分にチェックするようにしておいてくださいね!
まとめ
いかがでしたか?Bubble でサービスをリリースされた経験をお持ちの方は、基本的なことばかりと感じられたかもしれませんが、そうでない場合は、サービスの規模に関わらず、リリース前は必ずご自身のアプリにフィットしたチェックリストを準備して、作業を安全に快適に進めてみてくださいね! では、次回もどうぞお楽しみに~!