ノーコード ラボ

NoCode 関連のツールの紹介、使い方などをやさしく説明しています。

【Bubble 事例】オンライン個別指導サービス「スタディカルテLab」

こんにちは!ノーコードラボの岡崎です。

当ブログは 2022年7月23日で 3周年を迎えました。読者の皆様やお客様、ブログのメンバーなど多くの方に支えられていると実感しております。皆様、ありがとうございます!

今回は 3周年記念ということでいつもの技術的な記事ではなく、Bubble での開発事例紹介のインタビュー記事となります。

オンライン個別指導サービスの スタディカルテLab 代表である樋口雅範さんに、2022年7月19日に Zoom でインタビューさせていただきました。

樋口さんと弊社の関わりですが、弊社で行っている Bubble camp の第3期に樋口さんがご参加いただいたのがきっかけとなります。こちらは 2020年5月1日から開催しておりました。もう2年以上前の話になります。

また、「スタディカルテLab」のシステム開発を弊社が担当したのが 2020年6月20日 となっており、こちらも既に2年以上が経過しているような状況です。

スタディカルテさんは弊社にとって Bubble 関連でご契約いただいているお客様の中で最も長くお付き合いいただいているお客様となります。それだけ知見も多く、学ぶところもとても多かったです。

スタディカルテ樋口さんへのインタビュー

スタディカルテLab について

studykartelab.com

岡崎:それでは樋口さん、本日はどうぞよろしくお願いいたします。まず、スタディカルテLab について、簡単に教えていただけますか?

樋口:スタディカルテLab は、医学部・難関大受験に特化したオンライン学習塾です。

大手予備校・医学部予備校で活躍するプロ講師が、個別指導をして、授業だけではなく授業以外の自学自習を最適化するところが特徴です。

「いつまでに、何を、どれくらいすればいいか?」を明確にし、志望校の合格ラインから逆算して計画を立て、教材選定や活用方法などの学習アドバイスをしていきます。

ノーコードラボさんには、そういったところの情報を一元管理するアプリを開発していただいてます。

岡崎:1対多ではなく、1対1での個別指導なんですね。

樋口:はい。例えば、オリンピック選手にパーソナルトレーナーがついていたり、かかりつけ医が診察や服薬指導をするのと似ているかもしれません。

岡崎:それは日々の勉強の仕方までも教えるというイメージですか?

樋口:はい。例えば生徒の志望校が東大であれば、どういう入試問題が出題されて、それに対して自分が何ができていて何ができていないのか、できていないことをいつまでにどれくらいやればいいのかなど、知っておくべき情報は沢山あって。でも、きちんとやろうとするほど、情報共有は複雑で大変なんです。そういう講師と生徒のブラックボックスになりがちな情報を集めて、WebアプリとLINEを組み合わせて、必要な人にわかりやすい形で届ける、というようなサービスを提供しています。

岡崎:なるほど。「傾向と対策だけでなく、スケジュール管理もして目標に向かって一歩ずつ一緒にやっていきましょう」という感じのイメージで合ってますでしょうか?

樋口:はい、そうです。


起業のきっかけ

岡崎:それでは、起業のきっかけについて簡単に教えていただけますか?

樋口:現在は、良質な教育であれば教育費をかけてもらえるようなご家庭を中心に、サービスを提供しています。

ただ、それと矛盾するように聞こえるかもしれないのですけど、最終的に目指しているのは「教育格差の是正」なんです。

元々は「良質な教育を低コストで」と考えていたのですが、それを実現しようとするとビジネスモデルに限界がありました。

そこで、今やっているサービスの延長線上でデータを蓄積して、それを2次利用する形で低コストにしようと考えるようになりました。

こうしたアイデアがあったので、起業してサービスを始めて、御社の Bubble のサポートを受けさせていただいています。

岡崎:ありがとうございます。「教育格差の是正」って重大な課題ですよね。

教育費って家計への負担が重く、馬鹿にならない金額ですので、ローコストでできたらすごい助かります。ぜひぜひ頑張ってください。弊社でもできるかぎり協力させていただきます!!

Bubble を選んだ理由 / 当社を選んだ理由

www.nocodelab.jp

岡崎:Bubble を選んだ理由と当社を選んだ理由を教えていただけますか?

樋口:ノーコードラボさんにお世話になるタイミングの前段階でシステム開発に結構困っていたんです。

というのは、個人事業の延長線上で、自己資金で受託開発を依頼したところ、スピードが遅かったり、思った通りのシステムが出来上がってこなかったり、レイアウトを変えるだけでもすごい時間とコストがかかってしまったということがあります。

僕自身がシステム開発を経験したことがなかったので、開発者側からしても「このタイミングでそんなところ変えるの!?」みたいなこともあったかもしれませんが。(笑)

そういう失敗をする中で、僕自身も勉強しないとダメだということを感じていた頃だったんですね。

上手くいっている会社のプロダクトって初期は社長自身が開発されていたケースも多いみたいなんですよね。なので、自分でプロダクトを一貫して考え、その延長線上で優秀な方々に任せていくというのが、僕にとっては正しいルートなのかな?と思っていました。

自由度が高いツールをまずは自分で触ってみたい、でも、なるべく低コスト・少ない学習コストで始めたい、そういう都合の良いツールはないかな…、と探していて見つけたのがBubble だったんです。

岡崎:Bubble 自体は何をきっかけで見つけられたのでしょうか?

樋口:Twitter ですね。

最初は同じような起業の界隈でノーコードに関心がある人から、「こういう人をフォローしておくと、ノーコードの情報が入手できますよ」と教えてもらいました。

それがきっかけで、しんじさんの Uber を作ってみる動画があるのですが、それを試しに作ってみて面白いなと思いました。その次にノーコードラボさんの Twitter を作ってみるという記事を読んで、これも作れちゃいました。

この経験で Bubble で自分でも Webアプリを作れそうだなと思いました。

とはいえ、わからないところも出てきたので、ノーコードラボさんが Bubble camp という個別指導をされていらっしゃったので、それを試しに申し込んで、自分でどんどんやっていって Bubble にハマっていったという感じです。

岡崎:そういえば、樋口さん、Bubble camp の最初の頃はご自分で Webアプリを作ってましたよね。

自分である程度できないと人にも指示できないですよね。そういう意味だと起業家の方が自ら Bubble を、実際には作らないにしても、学んでおくというのは大事だったりするのかなと思いました。

Bubble で実際に運用してみてどうか?良い点や悪い点は?

樋口:これは Bubble というよりは、ノーコードラボさんのおかげだと思っているんですけど、考えていることをきちんと再現してくださっているのがすごいありがたくて、そこはただただ感謝だなと思っています。

もともとプロダクトとして Glide とかと比べて Bubble って自由度が高い分、その分難しいと思うんですね。けど、コーディングをしなくても近しいものが作れてしまうというところが Bubble の良さだと思うんですけど、かつスピーディーに作成していただきました。

また、「この機能だと2種類のプラグインがありますけど、どちらがいいですか?」という感じで適切なアドバイスと提案をしてくださるというのは、すごいやりやすかったです。

僕一人で作るのは絶対無理で、学習コストがすごいかかるので。

Bubble x ノーコードラボさんだからスピーディーにできたなというところですね。

ちょっと営業っぽくなっちゃいましたね(笑)

岡崎:ありがとうございます!としか言えないです(笑)

樋口:悪いところは、Bubble のところにはなるんですが、自由度が高いとはいえ、完璧ではないというところでしょうか?フルスクラッチで作るのと比べて、どうしても Bubble だと作りにくいところは少なからずあって、それができない時に、それのせいで全体の仕様を考え直さないといけないということがありうるのかなと思っています。

まずはプロトタイプを作ってユーザーの価値を確かめて、そこからコーディングに入るというのが一番理にかなっているんじゃないかと思います。

岡崎:Bubble はいろいろ便利ではあるんですけど、不具合とかが起こった時にどうしても調べきれない部分もありますし、解決しようとすると実はコード以上に時間がかかりますなんてこともあったりして、なかなかそこをうまく妥協できないと難しいのかなとちょっと思いますね。

妥協というと言葉が悪いかも知れませんが、回避策を取り入れるという感じですね。却って時間がかかってしまう部分というのはどうしても出てきてしまうのかなと思います。

今後も Bubble のままで続けるのか?どこかの時点で乗り換えることが視野にあるかどうか?

樋口:結論からいうと、あるタイミングで乗り換えようとは思っています。

プロ講師の指導データを2次利用して、低コストでサービスを提供するシステム開発に本格的に着手するタイミングではコーディングが必要だと考えています。

というのは、先ほど上がりました「不具合」であるとか、細かいニュアンスのところを表現するときに Bubble だと難しい場面があります。こうしたところはきちんと開発体制を整えて、開発していく必要があるのかなと思っています。

その一方で、ユーザーの価値に刺さるかどうかという検証は、サービスを作ってみないとなかなかわからないというところがあります。

Bubble で低コストで素早い開発と仮説検証ができるのは、とても優れていると考えています。

実際、Bubble で作った Webアプリでユーザーからは、とても便利と喜ばれています。なので、現状の Webアプリも引き続き活用していきます。

岡崎:今の開発しているものは樋口さんの中ではバージョン1で、バージョン2にする時にコードにしようかなと考えているというところですかね?

樋口:はい、そうです。

岡崎:そのバージョン2の最初の MVP は Bubble でというイメージでしょうか?

樋口:そうですね。それも視野に入れています。

岡崎さんに Bubble で作ってもらった Webアプリによって、アプリに年間で 6000枚くらいの画像データが溜まっています。で、この画像データを加工・編集するような機能を追加することで、最初にお話ししていた「低コストで良質な教育サービス」の提供を目指しています。

そのためにも、まずは今のプロダクトの価値をさらに高め、必要としている顧客に届けることを一定ラインまでしっかりやりきりたいので、必要なタイミングでご相談させてもらいたいと考えています。

LP に STUDIO を選んだ理由 / gaz さんを選んだ理由

studio-gaz.design

岡崎:LP を Bubble ではなくて、STUDIO を選んだ理由というのがあったら教えてください。

樋口:STUDIO の方がビジュアル的に綺麗なものが作れるからというのが理由です。もちろん Bubble でも作れるし、Notion とかでも作れると思うのですが、一番見た目が綺麗に見せれるし、パワポの資料を作る感覚で LP を作れるというのはいいなと感じたので、STUDIO を選びました。

岡崎:gaz さんを選んだ理由というのはどういうところでしょう?

樋口:Bubble でノーコードラボさんを選んだことに味をしめてしまったというのがあって、それでいいツールをいい開発ができる会社に頼むのが効率いいなと思ったからです。最終的にはインハウスで更新をかけれるようにしたいという希望はあったのですが、最初のところはワードプレスなどよりも安く簡単に作ってもらえつつ、Webページの細かいところを自社で変えられるというところを社内で完全に内製化できるというところがよかったなと考えています。

岡崎:そうすると制作は gaz さんに依頼し、その後は御社のスタッフの方が LP を更新しているということなんでしょうか?

樋口:はい。更新を外部にお願いする場合、どうしてもコミュニケーションコストがかかるため、一元化、一本化するのがいいなというのを考えた時にノーコードだとアイデアを持っている人が直接プロダクトに反映させられるというのがすごい価値だなと考えています。なんで LP 作成もなるべく伝言ゲームにならないようにするというのも大事なんだなと感じました。

事業がうまく行っている理由

樋口:うまくいっているか?って言われたら、泥臭く必死にやっているということなんですが(笑)

なんとか生き延びているという。ただ、これから先に広がりもあるという可能性も感じています。 まだスタートアップというレベルにあるのか?というところはありますけれども、ちゃんと売上も作れたりしています。

ノーコードというのは、あくまでもプロダクトを作るための手段であって、大事なのは顧客の課題をどういうふうに解決するか?というところがちゃんとできていないといけないと考えています。

Webサービスだと選択肢が本当に多数あるので、その中で顧客にドンピシャに刺さる「選ばれる理由」が大事で、そこがぼやけているとわざわざ知名度のないサービスを使う理由がなくなってしまいます。

起業家の失敗談で良く聞くのは、こういうのがあったらいいな!というところからプロダクトを作ってしまうということです。便利だったり面白いけど、お金を払ってまでサービスを受けたいのか?となると話は別なんですよね。課題に対する解決策としてプロダクトを作らないといけないのに、プロダクトが優先してしまっているパターンが多いのかな?と感じます。

岡崎:はい。胸にすごく刺さります(笑)

私が樋口さんがうまくいっていると思うところですが、私が樋口さんと知り合った段階で既にお客様がついていらっしゃいましたよね?それがやっぱり強いなと思いました。

Bubble で起業する方って、Bubble でモノを作ってからお客さんを集めようという人が多いんですが、樋口さんの場合はお客さんが先にいて、そのお客さんに対してもっと効率良くサービスを提供する、教えるというところがうまくいっている理由なのかな?と思いました。

やっぱりお客さんがつかないと事業が回らないですからね。

逆に言うとみなさんお客さん集めに苦労されているのかな?というところですかね?

樋口:確かに、少なくとも初期は、お金を払ってくれる顧客に喜んでもらえることを徹底しました。

ビジネスというと、やっぱりお金を作らなくてはいけないんですよね。お金は、会社にとって「血液」みたいなもので。

うちの場合は「医学部・難関大に最短距離で合格できる」という付加価値があって、その裏側をノーコードでうまく業務効率化しているという点が価値だと考えていて、ノーコードでできる価値そのものが実はメインではないのが上手くいっている理由なのかなと思います。

これから起業したいと考えている人向けのアドバイス

樋口:結論からいうと、ノーコードは非常にオススメです。

実際に使ってみて、うまく活用できると普通よりもコストを下げて MVP を作るにもすごい有効なので、うまく使うことでスタートアップの強力な武器になるなと。

ただ、開発できればうまくいくかというと、そういうわけではなくて、ビジネス的なところ、マーケティングであるとか、その人に長く気に入ってもらって使ってもらうとか、開発以外にもやるべきことはたくさんあって、ファイナンスであるとか、リクルーティングであったりとか、本当に多岐にわたるんですが、そのバランスをとりつつ、いかにリソースが限られた中で、選択と集中をして、何をやるべきかというところを見極めるのがすごい大事かなと考えています。

その何をやるかというのは言うのは簡単なんですけど、見つけるのは本当に難しいんですね。

その時についついありがちなのは、「こういうものがあったらすごい良さそうというものをコーディングでごりごりつくっちゃった、けど役に立たなかった」と言うのが、システム開発あるあるだと思うんです。

作ったけどぜんぜんお客に刺さらない。

大手だったらこれを何度もやれる体力があるんですが、スタートアップは1回やってしまうと致命傷になりかねない。

なので、いかに上手な失敗ができるか?というのが大事だと思うんですね。

その小さく始めてちょっとづつ軌道修正しながら本当に刺さるモノを見極めていくというところにノーコードというのは武器になると思っていて、正しく MVP を作るということを学ぶというのは、起業する上で大事なことなんだなと考えています。

岡崎:なるほど。今日のお話、私の胸にもしっかりと刺さりました。(笑)

インタビューは以上となります。今日はお時間いただき、ありがとうございました!

まとめ

今回は、スタディカルテ樋口さんにご協力いただき、サービス運用側からみた Bubble についてをインタビューさせていただきました!

実際に運用してみたからこそ見えてくる、サービス運用側からみた Bubble のリアル、いかがでしたでしょうか? これからスタートアップしようとされている方はもちろん、すでにサービスを開始されている方も、ぜひ本事例を参考にお役立ていただければと思います!